矯正歯科最前線

iTero Element を iTero Element 2 にDIY

有本 博英 矯正歯科医

2018.09.09

iTero Element 2 発表!

今年のアメリカ矯正歯科医会ワシントン大会では口腔内スキャナー iTero Element のアップグレードバーションiTero Element 2が発表されました。去年 iTero Element を導入したばかりなのにもう?って感じですが、実は iTero Element 自体は世界的には2015年に発表されたもので、もう3年も経っているのです。単に許認可の問題で日本に入ってくるのが遅い、いわゆる医療機器のデバイスラグがあるということです。(ほんま厚労省さん何とかして)

で、iTero Element 2は何が変わったかというと、画面が少し横長で大きくなって、少し画像の処理スピードが上がってバッテリーが内臓になったくらい。まぁマイナーバージョンアップですね。

内蔵バッテリーが一番のインパクト

でもこの内臓バッテリーは正直羨ましい。というのもイースマイルでは iTero Element の前の機種、iTero2.9から使っているのですが、iTero 2.9ではバッテリーが内臓で、電源を切らずにコンセントをひっこ抜いてチェアー間を移動できたからです。それが iTero Element になってバッテリーが外され、チェアーを移動するときにいちいち電源をシャットダウンしなければならなくなった。これが結構面倒くさいし時間的ロスなんです。

どのくらい時間的ロスがあるか、衛生士の松尾が計測しました。iTero Element の電源を切って、コンセントを抜いて隣のチェアに移動し、コンセントを入れて再び電源を入れ、スキャン可能状態に立ち上がるまでにかかった時間は1分17秒。

ところが、この松尾が患者さんの口の中をスキャンするスピードは最速で1分50秒なのです。
 
いつも最速でスキャンできるわけではないでしょうが、バッテリーが内蔵されなくなったことで少なくとも片顎スキャン分くらいはロスになっているはず。

バッテリーを外付けでつけてしまえ!

やはり、iTero Element 2 にするか、、いやいや、例によって医薬品デバイスラグで日本での発売は未定。いつになるかわからない、ということなのですが、、、アラインのブースにいた方から松尾が聞き出しましたよ。バッテリーをつける方法を!
 
要するに無停電バッテリーを外づけでつけてしまうというもの。予算はわずか8000円足らず!
これでうちの iTero Elementは、ほぼほぼ  iTero Element 2 となりました(笑)。
電源を入れたまま、コンセントを引っこ抜いて隣のチェアに移動できるようになったのです。
よりスムーズな治療にフォーカスですね!
 
もし読者の方でアップグレードしたい方がいらっしゃったら材料はバッテリー結束バンドと間に挟む耐震ジェルクッション、長すぎるケーブル交換用の短いもの
あとは写真をご参考に!これははっきり言って『しなきゃ損』レベルですよ!
 
 
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