診療案内 / 子供の矯正(初期治療)
乳歯がまだ残る時期の矯正治療って必要なの?
矯正治療の最終ゴールは全て永久歯に生え変わった時の正しく美しい噛み合わせ。
個人差はありますが、永久歯が生えそろうのは15歳以上くらいですね。
ではなぜ乳歯のまだ残る時期から矯正治療をする必要があるのでしょうか?
全部永久歯に生え変わってからでもいいのでは?
初期治療でないと
できないこと
典型的な初期治療開始のタイミングはこれから本格的に永久歯に生え変わる前、上顎の前歯4本が生え変わったくらいのタイミングです。年齢で言えば6〜8歳くらい。なぜか? それは、この時期でないとできないことがあるからです。
- 01.まだ埋まっている永久歯の位置や方向は正しいか? 余分な歯(過剰歯)などが邪魔していたり、欠損歯がないか? という検査をして、スムーズな歯の交換ができるようきちんと対処しておくこと。
- 02.これから大人の顔と歯ならびに成長して行く時に悪影響を及ぼす癖や習慣を正しておくということ。
- 03.骨格の位置付けを補正しておくということ。
初期治療から仕上げの治療へ
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必要な時に、必要なことを、確実に
『必要な時に、必要なことを、確実に。』というのがイースマイル国際矯正歯科の基本的な考え方です。早すぎず遅すぎず、過剰な治療にならないよう、必要最小限の治療でお子さんの成長を見守ります。 「初期治療」の後は、取り外しの保定装置を使いながら残りの乳歯の生え変わりを観察し、続く永久歯列期の治療がスムーズにできる様に準備をします。アメリカ矯正歯科医会ではどんな子供でも7歳までに矯正歯科治療を専門に行う歯科医師の診察を一度は受ける様に推奨しています。典型的初期治療 1:上顎歯列拡大治療

典型的な初期治療としては、上顎骨の拡大治療があります。
上あごの前歯4本が乳歯から永久歯に生え替わる時期は、中顔面(目から上唇までの顔の中央部分)の幅が発育する時期(図)。このとき、上の前歯が重なって生えてきたり、斜めに生えてきたりした場合、上あごをしっかり広げて前歯をならべるという典型的な初期治療を行います。上顎は左右2つの骨に分かれていて、この時にしっかり正しいポジションに広げておくことが顔全体の発育にとっても大切なのです。
固定式の装置でしっかりと拡大するため、通常1年前後の治療期間です。お子さんの場合すぐに慣れてほとんど違和感もなく治療が終了します。
一方、この時期の下の前歯の重なりについてはそんなに心配する必要はなく、基本的に積極的な治療は行いません。下顎の骨は1本の骨でできており、骨の位置は左右に広げられないことや、最後まで残っている第2乳臼歯が抜けた時(だいたい小学校高学年くらい)に下から生えてくる永久歯が乳歯よりも小さいため、スペースを得られるので、そのタイミングで治療すれば無理なく並べることができるということなどが主な理由です。また、上顎を広げることで自然に奥歯が立ち上がり、前歯の重なりも良くなってくることがあります。
症例 : 初期治療上叢生の患者さん
典型的初期治療 2:受け口の骨格補正
骨格的な受け口の場合は積極的に上あごの位置を前方に位置づけるように補正します。このような骨格の位置付けを補正する治療を”顎整形治療”といいますが、こうした治療は骨格が完成する前の成長期でないと効果を得るのが難しくなります。
症例 : 反対咬合の患者さん
頭部X線規格写真
- 上顎歯列がせまく、上顎骨の前方発育が悪い状態でした。上顎歯列を固定式装置で拡大しながら前の方に引っ張って、骨格の前後的な補正をします。治療期間は約10ヶ月でした。この後は永久歯に生え変わるまで観察し、仕上げの治療を行います。 [初診時9歳2ヶ月の男児 治療期間7ヶ月]