インビザラインの思わぬリスク
有本博英 矯正歯科医
2018.02.02
こんにちは、有本博英です。今日は矯正治療中の虫歯などには安全と言われているはずのマウスピース矯正の思わぬリスクの話を。画像はコーヒーに染めてみたインビザライン。結構茶色になりますねぇ。
歯が破壊される原因は大きく分けて2種類
歯が破壊されるのは大きく分けて2種類あります。虫歯と酸蝕です。
どちらも歯が酸で溶けるものですが、
- 虫歯=虫歯菌が出す酸によって歯が溶けるもの
- 酸蝕=酸性の飲食物(胃液なども)に長く被曝することによって歯が溶けるもの
その成り立ちが違います。
虫歯を防ぐには
a. の虫歯を防ぐには虫歯菌をきれいに掃除すればいい。ですので歯磨き(=歯ブラシ+フロス)をきちんとすればいい。マウスピースによる矯正治療(インビザライン・薬機法対象外)は歯磨きの時に装置を外すことができるので、ワイヤーによる治療に比べてとても有利です。
同一患者のブラケットとアライナーの歯石付着状況。ブラケットの時は下顎前歯の間に歯石が付着している。
酸蝕を防ぐには
b. の酸性飲食物の被曝に関しては、甘いもの・酸っぱいもの・ソフトドリンクや炭酸飲料・スポーツドリンクを取り過ぎない、常に何か口の中に入っていないようにするなど、食習慣に関わること。これに関してマウスピース矯正治療(インビザライン・薬機法対象外)は、特に注意しないと大変なことになってしまいます。
それは、マウスピースをはめたまま、ソフトドリンクを飲むこと。どんなことになるか?と言うことですが、、、、、
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(閲覧注意)
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マウスピースをはめたままソフトドリンクを飲んでいた人の口腔内
歯の表面から白くなってカルシウム分が溶け出しています。脱灰といいます。歯茎が全体的に腫れて出血しています。プラークがべったりと言うことはないので歯磨きしていない、と言うわけではありません。この人はマウスピースをはめたまま、ジュースやスポーツドリンクを飲んでいたのです。歯は正直です。。。
もちろん、マウスピース矯正治療を始める前に、飲食するときはマウスピースを必ず外すように指導しています。本当に、マウスピースをはめているときは、水かお茶だけにしてくださいね。そして、こうしたソフトドリンクを飲んだ後、アライナーをつける時は、しっかりと水でゆすいでからつけてくださいね。
次回は、ソフトドリンクがどれだけ歯を溶かすのか?実験された先生に画像をいただいたので紹介しましょう。
ではでは、今日もみなさんHapp E- Smileで。
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