骨を動かす装置(Orthodontic Appliance)

装置について

骨を動かす装置は、骨と骨の位置関係を変えるための装置です。骨と骨を繋ぐ縫合部での変化が起こり、結果として骨同士の位置付けが変わります。

MSE

概要

MSE(Maxillary Skeletal Expander) は、スクリューを併用した固定式の拡大装置です。フォーサイス研究所のMoon教授が開発し、世界的に広く使われる様になりました。Hyraxタイプの拡大装置とスクリューを組み合わせ、上顎左右の上顎骨を正中口蓋縫合で分離して骨格的に拡大します。

利点と欠点

上顎骨に直接力をかけることができるので、骨格的な効果が大きく得られます。従来は難しかった成長期が終わった大人の方でも拡大ができ、より良い矯正治療結果を目指すことができます。最近では気道の拡大による呼吸改善にも期待されています。
ただし、すべての症例で確実に拡大が成功するわけではなく、縫合部の硬さやスクリューの位置付けなど、さまざまな要因でうまく拡大しないことがあります。

イースマイルでは

MSEの拡大が成功するかどうかは、縫合部の状態のみならず、スクリューの位置付けも大きな要因です。イースマイルではCBCTを使ってより確実に広がるようなスクリューの位置付けをデジタルデザインで探すことにより、成功率を高めています。また、MSEをカスタマイズして、歯列の拡大だけではなく、臼歯の遠心移動をシームレスに行うような装置も開発しています。これにより、治療期間の短縮が望めます。さらに、フェイスマスクと併用することで、上顎骨の前方への牽引を可能にし、大人の受け口改善に使用する場合もあります。
これらの実績から、2024年には、開発者のMoon教授と共同でセミナーも予定されています。

Face Mask

概要

上顎骨を前方に牽引するための可撤式顎外固定装置です。上顎の成長が下顎に対して弱い場合の骨格的改善を目的とし、MSEやHyrax, Haasなど、上顎拡大装置と併用して使用します。

利点と欠点

受け口の骨格的な改善が期待でき、理想的な歯の位置付けで矯正治療をすることを可能にします。ただし、効果は使用時間や、骨の成熟度などに依存しますので、必ずしも目的とする効果が必ず出るとは限りません。

イースマイルでは

骨格的な受け口の患者さん、上顎の前方発育の弱い患者さんで用います。特にMSEと併用することで、大人でもかなりの顎整形的効果が得られることがあります。

ボラードプレート

概要

ベルギーのDeClerk 先生が開発したBone Anchored Maxillary Protraction (BAMP) という方法で使われる特殊なチタン製プレートで、思春期成長前から成長期にかけての反対咬合の改善に使用します。上下顎歯槽骨にボラードプレートを埋入してエラスティック(ゴム)をかけることで、上顎骨の前方への成長を促します。
適応年齢は11-13歳が一般的です。基本的には24時間のエラスティックの使用が必要です。

利点と欠点

口の中でゴムをかけるだけなので、24時間ゴムを使用することができるため、従来の反対咬合の治療と比較して、上顎骨の成長を大きく(約2倍)促すことができます。その効果は下顎骨の成長を抑えるのみならず、中顔面全体を前方に位置付ける様な効果も得られます。
最大の効果を得るためには思春期成長前で下顎歯列がほぼ永久歯に入れ替わったタイミングが重要です。また、ゴムは取り外しができるため、使用しなければ全く効果はありません。埋入時に小手術が必要で、費用もかかることなどが欠点です。

イースマイルでは

有本が初めてボラードプレートの症例を見たのは2009年にサンアントニオで開催されたアングルソサエティナショナルミーティングでDeClerk先生のプレゼンテーションでした。そのあまりの効果に衝撃を受け、、翌2010年、ベルギーのオフィスまで出かけて直接教えを乞いました。それ以来ボラードプレートを直接分けていただいて、多くの患者さんで使わせていただいており、おそらくイースマイルは日本で一番症例数を持っています。

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